초록
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本稿は、開化から植民地朝鮮に至るまで、朝鮮社会が認識していくネーション像を検討して、1920年代の「民族改良主義」の論理を論究している。とりわけ、「民族改良主義」の論究にあたり、独立運動を前提とする「民族主義」の視点ではなく、ネーション認識を根幹とするナショナリズムの視点から、その論理を把握しようといていることに一特徴がある。なお、1920年代に展開している「民族改良主義」の論理を検討するために、本稿では、時代を遡る逆行の方法を取り入れている。つまり、国家存亡の危機に瀕していた開化期から国家消滅の植民地朝鮮に至るまでの、時代認識を把握することによって、朝鮮社会の時代認識とネーション認識過程におけるメカニズムを検証しようとしたのである。その意味で、本稿は、植民地朝鮮社会におけるナショナリズムを解明してはいないものの、それを理解するための試論としての成果は挙げている。つまり、1920年代における朝鮮国内の思想体系を、独立運動を前提とする「民族主義」ではなく、ネーション認識を根幹とするナショナリズムとして把握していく方法論的転換は、植民地朝鮮社会を貫くナショナリズムを理解するための大きな一歩になったと思う。しかし、植民地という特殊状況の下で形成されているナショナリズムであるだけに、植民地状況を克服するために展開している論理の、全面的で且つ綿密な検討を要するものの、本稿では、そこまで至らなかったのである。なお、この課題は、朝鮮社会の植民地史の全体像と深く関連している点でもあるので、更なる考察を要する。これらについては、今後の研究課題としたい。
목차
Ⅰ. はじめに
Ⅱ. 開化期朝鮮のネーション認識と発生様式
1. 開化期における朝鮮社会のネーション
2. 日韓併合と朝鮮のネーション
Ⅲ. 文化政治と朝鮮国内におけるネーション像
1. 植民地ネーション像の形成における文化政治の意味
2. 民族改良主義者のネーション認識
Ⅳ. おわりに
参考文献
