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제 18 발표장, 좌장: 정병호(고려대)

台湾におけるデジタル人文学のゆくえ ― 日本語文学と歴史学を中心に ―

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アメリカの人工知能企業OpenAIが開発したChatGPT–4が2023年3月14日に公開されたことを契機として、 科学研究や技術革新、経済発展が一層加速するという楽観的な風潮が世界中に蔓延している。その一方 で、「実用性に乏しい」学問として批判の対象となってきた人文学の価値が再び問われ、その存在意義さえ も疑問視される事態に至っている。しかしながら、人工知能の飛躍的進歩が即座に人文科学の消滅を意味 するわけではない。むしろ、この状況は人文科学全体を再考する絶好の機会を提供していると考えられる。 なぜなら、人文科学と人工知能に代表されるテクノロジーは対立関係にあるのではなく、相互補完的な関係 にあるからである。デジタル・ヒューマニティーズ(Digital Humanities=DH)の存在は、まさにこの補完関係を 如実に示す好例であると言えよう。 デジタル人文学を「デジタル技術を駆使して人文学の研究を推進する」と簡略化して定義するならば、そ の起源は少なくとも1949年から1970年代にかけて発展した人文学計算(Humanities Computing)、および 1980年代から1990年代にかけて隆盛を極めた電子テキスト(E–Text)とデジタルアーカイブ(Digital Archives)を中心とする人文学研究にまで遡ることが可能である。すなわち、デジタル人文学は必ずしも斬新 な概念ではない。だが、「デジタル人文学」という呼称のもと、情報学や図書館情報学、各人文学分野の専 門家がその前身である人文学計算の系譜を追跡しつつ、デジタル人文学の研究手法やツール、潜在的応 用可能性などを体系的に論じ、独立した研究領域として確立を試みたのは、2004年に刊行されたA Companion to Digital Humanities (Oxford: Blackwell, 2004)が嚆矢となる。 従来の研究との最も顕著な相違点は、既にデジタル化されたアナログ資料の取り扱いにとどまらず、生来 デジタルの資料(born–digital)も研究対象として包含し、当時新たに開発された地理情報システム (Geographic Information System=GIS)をも活用した点にある。さらに、実践と理論の均衡を保持しつつ、資 料の視覚化と新興メディアを介した情報発信にも一層の重点が置かれている。 2005年以降、デジタル人文学は学術界において一定の認知を得たものの、依然として学際的な新興分 野(Emerging Field)としての位置づけに留まっている。また、各国の学術的特性や発展段階の相違により、 デジタル人文学の展開方向も多様化している。例えば、日本においては歴史文献の保存状態が良好であ ることから、図書館や博物館の所蔵資料を中核としたデジタルアーカイブの構築が推進されている。一方、 米国ではハリウッドの商業映画やドキュメンタリーの発達を背景に、映像資料のデジタルアーカイブが他国 に比して充実している。 台湾の場合、外来政権による統治が長期に及んだ歴史的経緯から、多民族によって構成される人口構 造を有している。そのため、異言語で作成された膨大な資料をいかに統合し、比較研究を進めるかが重要課題となっている。具体例として、台湾地図の歴史的変遷が挙げられる。スペイン統治期、オランダ統治 期、清朝統治期、日本統治期、および戦後の各時代に作成された地図の整合性検証と比較分析を通じて、 公文書、契約書、科学的記録、書簡などのデジタル化された文字資料を参照しつつ、商業貿易、山林開 発、都市建設、医療整備などに関する通時的研究が活発に展開されている。 デジタル人文学の進展は国や機関により重点が異なるものの、共通の基盤となっているのは資料のデジ タル化、すなわち「デジタル・コンバージェンス」(Digital Convergence)である。これは、手稿、公文書、書籍、 絵画、彫刻、音声、映像など、多様なメディアを通じて生成された資料がデジタル化され、単一のシステム やプラットフォーム上で統合されるプロセスと捉えることができる。このような統合システムやプラットフォーム において、多岐にわたるデジタル資料の検索、分析、管理、活用が可能となる。これにより、従来は個別に 扱われていた異種メディアの資料が、デジタル空間において横断的かつ有機的に結びつけられ、新たな知 見の創出や学際的研究の促進が期待される。 デジタル人文学における検索・分析には一定の技術的素養が求められる。特にプログラミングやデータ ベースに関する知識と運用能力の欠如は、研究の進捗を阻害する要因となり得る。さらに、AI分野において は、大規模言語モデル(Large Language Model=LLM)や機械学習(Machine Learning)の基本概念および 作動原理の理解が不可欠とされている。しかしながら、これは決してエンジニアのみがデジタル人文学を遂 行し得るという意味ではない。むしろ強調すべきは、上述のデジタル人文学に関する技術的知識を踏まえ た上で、機械によるデジタル資料の処理結果を適切に解読・分析する能力の重要性である。換言すれば、 資料のデジタル化プロセス、データベースの特性、機械による検索・分析のメカニズムなどが、人間による解 釈プロセスに多大な影響を及ぼすのである。 この観点から、デジタル人文学者には、技術的側面と人文学的洞察の双方を兼ね備えた学際的アプ ローチが要求される。機械処理の特性を理解しつつ、その結果を人文学的文脈に照らして批判的に評価 し、新たな知見を導出する能力が、今後のデジタル人文学の発展に不可欠な要素となるであろう。 本発表は、台湾におけるデジタル人文学の全容を俯瞰する研究である。まず、デジタル人文学の定義と その変遷を概説する。既述の通り、各国の研究状況や機関の特性によってデジタル人文学の方向性は多 様化している。そのため、欧米のデジタル人文学から受けた影響、および台湾における発展と特徴を詳述 する。特に、どのような資料が優先的にデジタル化されたか、そのデータベースの特性や利用方法、さらに はそれによってどのような研究が加速されたかについて、具体例を挙げながら解説する。 台湾においては、資料の視覚化と公開性の問題がデジタル人文学と密接に関連しているため、歴史学と 文学の領域における進展と課題を考察する。これらの分野では、デジタル技術の導入によって従来の研究 手法が変容し、新たな知見が生み出されている一方で、デジタル化に伴う倫理的・方法論的課題も浮上し ている。本発表を通じて、台湾のデジタル人文学の現状と展望を明らかにし、グローバルな文脈における台 湾の位置づけを検討する。さらに、今後のデジタル人文学の発展に向けた課題と可能性についても言及す る。 台湾におけるデジタル人文学が最も先駆的に進展しているのは歴史研究の分野であると断言できる。複 数の外来政権による統治や植民地としての歴史が交錯し、相反する歴史文献が散見される台湾では、一貫 した歴史叙述、すなわち統一的な史観の存在自体が希薄であるといえよう。戒厳令解除後、自国の歴史を 再構築しようとする社会的要請が高まり、歴史研究が急速に進展した。その結果、政府の支援を受けて、歴 史文献のデジタルアーカイブが次々と構築された。代表的な例として、中央研究院(Academia Sinica)が運営する日記資料データベースや台湾移行期正義資料データベースが挙げられる。 また、台湾の日本語文学研究においてもデジタル人文学の影響が顕著に表れている。1970年代以降、 日本語教育が隆盛を極めた台湾では、2000年前後からコーパスを活用した日本語の語学研究が蓄積され てきたのである。近年では、日本の青空文庫の作品資料を用いた分析研究が展開される一方、砂金の発表 論文に見られるように、品詞の出現頻度分析や語彙の関係性分析を通じて、村上春樹、多和田葉子、石牟 礼道子、村田沙耶香などの作家の小説における転換点、情動、色彩などの意味と相互関係を考察すると いったデジタル人文学的アプローチを模索する試みが顕著になっている。 確かに、台湾におけるデジタル人文学は未だ模索段階にあり、必ずしも全ての試みが成功を収めている わけではない。最後はあまり成功していない例を紹介しながら、台湾におけるデジタル人文学の問題点に ついて考えてみる。AI人工知能も含めてデジタル技術が持ってきた深遠なる影響は、長年にわたり発展し てきた人文学の意味と価値を再考する機会を提供していると信じている。それも人間の知性と人工知能との 本質的な差異を探究する契機となっているのである。

저자정보

  • 張政傑 장정걸. 台湾・東呉大学

참고문헌

자료제공 : 네이버학술정보

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