earticle

일본어

本論文の狙いは、戦略経営、あるいは経営戦略とリスク・マネジメントとの関連性を考えることに ある。そして戦略経営とリスク・マネジメントの相互作用によって、行なうべき企業経営活動のあ り方、その方向性およびそのトップ・マネジメントが考慮すべき経営的側面などについて考察する ことである。つまり、企業の経営戦略、戦略経営(Strategic Management)をリスク・マネジメント (Risk Management)の観点から考えてみることによって戦略経営とリスク・マネジメント、そして トップ・マネジメントの関連性を解明することである。そのために、ここではまず戦略経営とリス ク・マネジメントを考える際に、戦略、リスク、そしてリスクをマネジメントすることの基本概念 とそれぞれの理解のための基本的な重要側面などについて整理した。 次に戦略経営とリスク・マネジメントの融合(Collaboration)に失敗するということは、結果的にリス ク・マネジメントの失敗であり、戦略経営の失敗でもあるという観点に立ち、最初から自らの経営 戦略に発生可能なリスクを想定し、それをコントロール（リスク・マネジメント）することが、戦 略経営の成功にもつながるということを明らかにした。また経営戦略としてのグローバル戦略(リス クを意識しながら)においては、➀現地化戦略、②企業(組織)文化の重要性について整理を行い、国 際経営戦略とリスク・マネジメントを考える際に、近年、中国において盛んである日系企業におけ るストライキの存在と中国の為替政策の変化とともに為替レートの変動による中国人民元の切り上 げ問題を中心にチャイナ・リスクの存在について整理を行なった。 そしてケース・スタディでは、サムスン(SAMSUNG)を取り上げ、サムスンの絶好調は本物かという 問いかけに対し、戦略経営とリスクの観点から整理を試みた。それには韓国企業の昨今の躍進、な かんずくサムスンの絶好調は、本物なのか、そしてその強みは何であり、弱み(リスク要因)はない のか、などについて戦略経営とリスクの観点からいくつかの論点を整理した。 また戦略経営とリスク・マネジメントの拡張を行ない、最近の話題としての戦略経営とリスク・マ ネジメントとして、WLBとCSRを中心にそれぞれ新しい視点からその特徴と注意事項などを整理し た。 最後に結論として、残された課題と新たな問題提起を試みた。それには、まず「組織は戦略に従 う」VS「戦略は組織に従う」という古典的問いかけに対し、新しい戦略経営とリスク・マネジメン トの理解のために、組織と戦略のパラダイムについて、そして戦略経営、リスク・マネジメント、 そしてリーダーシップとの相互的関係性について問題提起をすることで本論文の狙いに接近してい る。