원문정보
초록
일본어
「著聞」という,あまり耳慣れね語を書名の-部に採擇した「古今著聞集」の編者(@成季)の意圖をめぐっては,從來種種の論議が行われてきたが,その多くは典據探しに關するもので,說話言說の中からその意味を捉え直そうとする試みはほとんどなされていない.編者は跋文の中で,「或は家家の記錄をうかがひ,或は處處の勝絶をたづね,しかのみならず,たまぼこのみちゆきずりの語らひ,あまさかるひなのてぶりのならひにつけて,ただに聞きつてに聞く事そもしるせれば,」と,「古今著聞集」の膨大な說話をどのような過程や方法でもって收集したかを明らかにしている.ここで「家家の記錄をうかが」つたというのは,すでに著述されたものから必要な資料を得たことを意味し,「聞きつてに開く事をもしる」したというのは,自らの耳で直に聞いたことを選んだことを指している.編者はつまり,說話の取材方法として書承ばかりでなく,口承をも取り入れたことを明らかにしている.編者は收錄話がすでにどこかに記されていることか,もしくは自分自身の耳で聞いて確かめたことであることを證明するために隨所で注記や附記をつけている.例えば,すでに記されていること,つまり「著」であることそ證明する注記は計十三箇所に上り,聞いたこと,卽ち「聞」であることを確認する附記は九箇所に至る.編者がかくまで「著」と「聞」に拘泥したのは,それが「實說」であることを證明するために他をらない.虛構ではない,確かな根據のある設話を集めて新しい說話集の編纂をめざす,これこそ編者の意圖したところであって「著」と「聞」はそれを具體化するための方法であったと言える.