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초록
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「連環記」は慶滋保胤と大江定基という性格の全く異なる人物を中心にして,露伴晩年の意識かもっとも明確に表れた作品である.そのうち本橋では,大江定基が中心となる「連環記」の第二部について考察するつもりである.定基についての話は,彼が寂心のもとで出家し,寂照となったところから始まる.家柄も良く,學問的にも優れていて,俗世を生きていくことに困難などあろうはずもなく,その性格も豪快で,出家など思いよるはずもないような定基であった.その彼の出家が愛妻の死によると,說話には書かれている.しかし,それを根據にしながらも,露伴は彼の內的世界か,常に向佛敎的であった保胤の精神世界に連なることを見出した.つまり世の常識を打ち拂い,愛妻を得て充滿していた定基の俗人としての心は,愛妻の死と,それに逆らうことで自分の人間としての限界を思い知らされることになり,やがて$lt;空虛$gt;となる.そしてかつての豪快であった自分を$lt;否定$gt;しながら,俗界の心が淨化され,ついに$lt;憐れみの心$gt;を施すようになるところから,露伴は定基の人間性の回復を見出した.さらに保胤のもとで出家し,保胤の精神世界に連なるようになった定基と保胤と因緣の世界は,時空そ越えて新しい因緣を生み出していくようになる.露伴は物質的なものを優先とする世界よりも,その精神的に連なる,內的因緣の世界を眞實の世界だと認識し,それを歷史の中の香りとして昇華させたのである.そしてこういった『連環記』の世界こそ,古今に至る歷史的な時間を,總合的に見ることのできる,晩年の露伴ならではの世界であったのである.
목차
1. 始めに
2. 定基の出家の動機
3. 保胤との因縁の意味
4. 正基の最期に托されたメッセージ
5. 終わりに
參考文獻