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白井寛蔭著の字音仮名遣い書『音韻仮字用例』には、二箇所にわたる韓語の參照が見られる。そして、韓語が 関わっている寛蔭の著作としては、そのほかにも『類合』や『訓蒙字会』を書写し、かつ韓語について記述した『朝 鮮諺文類合』と『朝鮮諺文字会』がある。本稿では、この二書と『音韻仮字用例』とは成立年が同じであること や、内容的に『類合』や『訓蒙字会』に大きく依っているということなどから、深い関係が予測され、これらを取り上げ 、いくつかの側面から寛蔭がどのような手法で韓語を引いているのかを追究し、韓語に対する彼の学的な姿勢ないし 観点を探ってゆき、同時に、寛蔭の説の展開において韓語はどう位置づけられるのかを明らかにした。 その結果、寛蔭は朝鮮漢字音を韻尾の区別を主張する際に引証しているが、それはその主張の限りにおいては必 ずしも必要不可欠なものではなかったものの、その中の〈宣長も朝鮮漢字音を參照すれば、撥韻尾をすべて「ム」と することはなかった〉とする主張に見られるように、韓語重視の姿勢が認められた。そして、寛蔭の韓語理解には、今日 の観点からすると筋道の通らない所があることも明らかになった。それは、ハングルの説明にあたって漢字による「音註 」を解釈の出発点としたことによる。ただし、漢字音研究への韓語利用を目指し、彼の設けた理論において、そこに誤り はなかったと言ってよい。 寛蔭は、自分の設けた説にあてはまる朝鮮漢字音を『韻鏡』を參照しつつ選び出し、それを自説の補強と先学説 の補完に利用した。朝鮮漢字音を『韻鏡』において検証する手法が、彼の論に必ずしも有益であったとは考えられな いものの、韓語參照による字音研究の先駆者ともいうべき全斎の手法に比べてみると、それはやはり一つの進展と認め られる。そして、この手法は、当時の字音研究の流れをそのまま反映していると考えられるのである。いずれにしても、朝鮮 漢字音と日本漢字音を同じく『韻鏡』により一貫して処理しようとしていたことが、寛蔭の韓語利用の手法におけるもっ とも大きな特徴と言える。
목차
1. はじめに
2. 日本に伝えられた『類合』および『訓蒙字会』
3. 『音韻仮字用例』における韓語の利用
3.1. 『音韻仮字用例』における論の進め方と成果
3.2. 『音韻仮字用例』における韓語利用の実態とそれのもつ意味
4. 寛蔭の韓語利用の背景
4.1. 『朝鮮諺文類合』における韓語
4.2. 『朝鮮諺文字会』における韓語
5. むすび
參考文献
