원문정보
초록
일본어
歌謠と和歌はその当初から律調や題材などの面でお互いに関連し合っていたが、それぞれの独立的な位置を形 成していき現在に至っている。本稿で取り上げる今様は歌謠の流れを汲むもので、それまでの歌謠にない新鮮味があり 多くの人々に愛好され院政期の主流的な歌謠となった。目まぐるしかった平安末の実力者後白河院は今様に心酔し て声が嗄れるまで練習し、今様の歌手である遊女傀儡女などを宮中に呼び寄せ、師匠とした。後白河院は如何な る理由でこれほどまでに今様に耽溺したのか、今様には如何なる魅力があって多くの人に愛されたのか、その疑問を解 くカギとして今様における歌詞の創作方法について究明すべきである。その一つの方法として、今様と和歌との関連を 明らかにし和歌を摂取した今様の魅力に迫りたい。 今様に摂取された和歌のほとんどは人口に膾炙した有名な古歌である場合が多いが、古歌をそのままの形で取り 入れるのではなく、まったく異なった非和歌的な語句─例えば、和歌では用いられていない直接的な語句や擬声語擬 態語─などを取り入れておもしろくしている。また、連想の働きによっておもしろくしたり、反復表現を用いておもしろみを醸し 出している。このような方法は『梁塵秘抄』のみならず他の今様集においても同様なのでこういう方法が今様の歌詞 創作に用いられるのは一般的な傾向であったろう。 なぜ、和歌でなければならなかったのか。その理由として今様の享受者層和歌の持つ性格今様のバリエーシ ョン、この三点を挙げることができる。当時後白河院サロンで行われていた今様の会合は多くの貴族たちがその中心に あった。貴族の教養である和歌は後白河院サロンの貴族たちにも身近な存在であったので和歌の表現が今様の中に 自然に溶け込む余地を作ってくれた。また、膨大な量の和歌を今様の中に取り入れるのは貴族たちにとってたやすいこ とだったと考えられる。実際今様の中には和歌だけでなく漢詩や物語の場面をも取り入れた形跡があるので、これらは 今様のバリエイーションの一つではないだろうか。これらの傾向は今様の中に見える「謠い替え」という形で継承され ていったのであろう。
목차
はじめに
1. 発想の転換のおもしろさを追求した和歌摂取
(1) 『梁塵秘抄』作品群の中の和歌摂取
(2) 反復技法における和歌摂取
(3) その他の今様集における和歌摂取
2. 和歌摂取の背景
おわりに