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초록
일본어
「こと」節は「こと」の前に来る先行要素によって、大きく「述語文+こと」節と「名詞+の+こと」節に分けること ができる。このうち、「述語文+こと」節についてはその使い分けの問題を巡って多く議論されてきているが、「名詞+ の+こと」節についての研究はあまり見当たらない。そこで、本稿では、「名詞+の+こと」形の「こと」の意味機能 と、述語文を名詞節化する際に現れる「こと」「の」が担うとされる意味機能との間にどのような関係が認められる のかについて検討するとともに、「名詞+の+こと」形の類型について考察した。述語文を名詞化する「こと」の場合 は「の」との対比によって特徴づけられるが、この「こと」の特徴が「名詞+の+こと」形の「こと」の意味機能を 説明するのにそのまま当てはまるのか、そして、両者に相違があるとすれば、どのような点であるのか、といったことが、本 稿での主な考察の対象となる。考察の結果、「名詞+の+こと」形の「こと」は二つの意味·機能を持っていること が分かった。一つは「こと」のすぐ前にある名詞に関連して何らかの「ことがら」「できごと」を表す場合であり、もう 一つは、そのような「ことがら」「できごと」を表さず、「こと」自体の意味を見い出しにくく、名詞を指示する機能だけ を持つ場合である。「ことがら」「できごと」を表す「こと」の場合は、文に必須の要素となっており、「こと」自体の 意味を表さず、名詞を指示する機能だけを持つ「こと」の場合は必須要素ではない。 また、4.1の「名詞+の+こと」形の「こと」が「できごと」を表す場合には、「述語文+こと」と意味的によく似 た修飾関係にあると言える。しかし、「ことがら」を表す場合と、4.2で扱った「こと」は、述語文を名詞節化する「こ と」や「の」の意味機能からは説明できない。つまり、前接する名詞を指示する機能だけを持つ4.2の「こと」は、 いわば二重に名詞化された形である。これは「述語文+の」が名詞化する機能のみを担うことに類似しているが、 「名詞+の+こと」という二重の名詞化の場合、その名詞化が構文上、必ず必要な要素ではないという点で異なる。 「名詞+の+こと」形のうち、「ことがら」を表す「こと」の場合は、「述語文+こと」形における「述語文」を「こと がら化」する「こと」とは異なる。「ことがら」を表す「こと」は、その前に来る「名詞」を「ことがら化」するのでは なく、「名詞」に関わって想定できる「ことがら」を漠然と「こと」としたものである。したがって、「名詞+の+こと」形 の場合、4.1の「できごと」を表すものや、4.2の二重に名詞化する「こと」のように、文法的な働きをするものと、 4.1の「ことがら」を表すもののように語彙的な要素として用いられるものとがあると言える。 なお、「名詞1+の+ことを名詞2」形、「名詞1とは名詞2+の+こと」形、「名詞+の+ことだから」形のような「名詞 +の+こと」形を伴う文型における「こと」も、「こと」の指す実質的な意味がなく、その意味で形式的要素として用 いられていることが確認できた。
목차
1.はじめに
2. 先行研究と問題の提起
3. 「述語文+名詞+の+こと」形
4. 「名詞+の+こと」形
4.1. 「できごと」「ことがら」の「こと」
4.2. 「名詞」を指示する「こと」
5. 「名詞+の+こと」形を伴うその他の文型
5.1. 「名詞1+の+ことを名詞2」形
5.2. 「名詞1とは名詞2+の+こと」形
5.3 「名詞+の+ことだから」形
6. まとめ
参考文献