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本論文は, 今昔物語. 巻十九, 六宮姫君夫出家語第五を原典とする「六の宮の姫君」に秘められた, 原典とは異なる芥川独自の主題と思想を確認しようとしたものである。そのために作品内部における各場面と事件、及び主人公の心理の間の有機的関連性を分析することにより、主人公の生と死の意味を考察してみた。 芥川は本作品で、家柄(血統)への執着のため内面の自発的な欲求の現れとしての愛から疎外され、真の幸福を味得ず、また生への愛着さえ持てないまま、死の状態とも変わらぬ生を生きた一人の平安貴族女性の無意味な生を語っている。現実社会における階級的価値への執着によって人間内面の自発的欲求としての愛を抑圧されたときの生の無意味さを、無限の虚無の空間と言うべき中有へと繋がる主人公の死を以て雄弁に物語るのである。そして、現実的条件を超越したところで自然と発露してくる人間の内的欲求としての愛、それによって幸福は可能となり、人間の生は価値と意味を与えられることを主張する。 芥川の独自性は、一人の平安貴族女性の運命的悲劇を伝える原典の話を利用し、もはや運命的悲劇とは言えない、抑圧された人間性の悲劇、人間的価値の喪失が齎す悲劇を創出している点に求められる。また、運命に支配される人生のはかなさを伝える原典の主題とは反対に、本来の人間的能力としての愛によって幸福が可能であり、人間の生は意味と価値を付与されるという、人間性肯定の主張からも明確に認められる。
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