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초록
일본어
中世日本語の原因․理由を表す接続形式(以下、因由形式)には、ホドニ、トコロデ、アイダ、已然形バ、ニヨリテ、ニヨッテ、ユヘニなどの多様な形式がある。文の構造を階層という観点から説明する現代日本語の階層論の観点から、17世紀前半に成立した大蔵虎明本狂言集の諸因由形式を分類すると、ホドニ、トコロデ、アイダはC類、已然形バ、ニヨリテ、ニヨッテ、ユヘニはB類に分類される。しかし、この分類は、虎明本の因由形式の場合であり、その前後の時代の資料を観察すると、虎明本の因由形式とは異なる階層的特徴を見せるものがある。本稿ではその中で、ニヨッテに注目する。因由形式ニヨッテが中世の諸資料の中で、階層的にどのような変化を見せるのかを考察する。本稿の考察の結果、ニヨッテについて次のことが明らかになる。 (1) 15世紀初頭の抄物には、ニヨッテ句の述部にベシがくる例がみられる。ニヨッテ句の述部にベシのくる抄物には、ニヨッテ句がホドニ句を包含する例が見られる。 (2) キリシタン資料、虎明本には、ニヨッテ句の述部に推量の助動詞がくる例はみられない。包含関係においてもニヨッテ句がホドニ句を包含する例はみられない。 (3) 虎明本以降の18世紀後半成立の大蔵虎寛本狂言集にはニヨッテ句の述部に推量の助動詞のくる例がみられる。虎寛本ではニヨッテ句がホドニ句を包含する例がでてくる。 (4) ニヨッテ句の述部に推量の助動詞がくることと、ニヨッテ句がホドニ句を包含する例があるということとは一定の関係があると思われる。すなわち、推量の助動詞がニヨッテ句の述部にくる場合、ニヨッテ句がホドニ句を包含することができる。その助動詞が、ベシ、ウズなどのように不変化助動詞でない場合であっても同じことがいえる。 (5) 包含関係やニヨッテ句の述部からみると、ニヨッテは15世紀初頭から、 C類寄りのB類 → B類 → B類寄りのC類 に変化したとみえる。
목차
1. はじめに
2. 先行研究
3. 包含関係について
3.1. 虎明本に現われる包含関係
3.2. 南(1974)の階層論と本稿の立場
4. 各資料にみられるニヨッテと他因由形式間の包含関係
4.1. 抄物に現れるニヨッテと他因由形式間の包含関係
4.2. キリシタン資料のニヨッテと他因由形式間の包含関係
4.3. 虎明本狂言集にみられる因由形式間の包含関係
4.4. 虎寛本のニヨッテと他因由形式間の包含関係
5. ニヨッテの階層とその変化:包含関係がそのように現れることに対する説明
5.1. 抄物のニヨッテの階層とホドニの階層
5.2. キリシタン資料のニヨッテの階層とホドニの階層
5.3. 虎明本のニヨッテの階層と他の因由形式び階層
5.4. 虎寛本の因由形式の階層
6. まとめ
参考文献