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志賀直哉の『豊年虫』にみる倫理―「死生観」を中心に―

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Honenmusi and Ethics

金靑均

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초록

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本論文では、死生観を中心に『豊年虫』にみられる倫理的宗教的側面を明らかにしようとした。この作品の分析のため、三つの動物の死を描いている『城の崎にて』との比較を適宜行った。『豊年虫』は「俗世界」と「聖なる世界」の対比によって作品世界が展開しており、語り手「私」は「俗世界」に対してそれを眺めるだけというスタンスをとっている。『豊年虫』の中の蜉蝣は、自然の力を象徴すると同時に、自然の力の前で無力な生き物の限界を示している。そして、作品のクライマックスとも言うべき末尾の箇所にはまさに、死につつある姿の蜉蝣が登場している。この場面における蜉蝣は、『城の崎にて』での蜂と鼠と蠑螈という三つの動物の死を連想させる。しかし、両作品には相違点が存在する。『城の崎にて』の主人公「自分」は、「三つの動物の死」を凝視することによって、その動物の死を「自分」の場合と同一視するに至る。『城の崎にて』は、自然や宇宙の秩序に目覚めていく主人公「自分」の精神的成長の物語として要約することができる。これに対して、『豊年虫』の語り手「私」は、蜉蝣と距離を保ったまま、その死を凝視する。そこには、蜉蝣と語り手「私」との一体感はみられない。『豊年虫』には、「俗世界」と「聖なる世界」と言えそうな世界があらわれており、語り手「私」は「聖なる世界」に心を惹かれながらも、「俗世界」も拒絶せず、そのまま心の余裕をもって受け入れるというスタンスをとっている。

목차

要旨
 【はじめに】
 1. 「俗世界」と「聖なる世界」との對比
 2. 「豊年虫の生命力」と「自然の 位」
 3. 『真珠夫人』と語り手の「俗世界」への視線
 【終】び
 參考文獻

저자정보

  • 金靑均 김청균. 고려대학교 강사

참고문헌

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