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초록
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本稿は、五山系抄物の中で、漢字音の「清」注記が比較的に多い抄物を取り上げ、それと『文明本節用集』における不濁点とを比較し、その意図において両者間にはどのような相違があるのか、またその意図と呉音・漢音とは直接関わりをもっていたのかなどを検討したのものである。さらに、「清」注記と「不濁点」が付されている漢字を日葡辞書とも比較し、それらは、当時の一般音とはどのような関係があるのかも検討した。その結果、①五山系抄物の「清」注記は、「にごって読んではならない」ということを示そうとする書写者の意志により加えられたものである。また、「清」注記は、濁音字に集中しているので、被注字が清音字・次清音字・濁音字であれ、主として漢籍の正統な読書音すなわち漢音系の字音を示すために加えられたものである。②『文明本節用集』の「不濁点」はにごって読んではならない仮名を識別するための符号として、漢籍の訓読文からの引用が多く、濁音字に集中していることから、その字音注は漢音系であると考えられる。つまり、「清」注記と「不濁点」は、表記上は違うが、両者とも読書音保持のために、「にごって読んではならない」漢字を積極的に示すため、「清」と注記していることが明らかになった。また、『文明本節用集』の「不濁点」と「清」注記が重なる漢字は『韻鏡』濁音字が多いことから、これらは呉音・漢音における清濁の対立を示すためであるという共通の意図を持って行なわれたと考えられる。また、それと『日葡辞書』の比較の結果、一般には濁音に読まれていた字に対して、「清」注記と「不濁点」が多く付されていたことが分かった。
목차
1. はじめに
2. 五山系抄物における「清」注記の分布
2.1. 抄物資料
2.2. 「清」の注記の方法
2.3. 「清」注記の『韻鏡』図上の分布
3. 文明本節用集の「不濁点」
3.1. 文明本節用集の「不濁点」の注記
3.2. 文明本節用集の「不濁点」の『韻鏡』図上の分布
4. 「清」注記と「不濁点」の比較
4.1. 「清」注記と「不濁点」の一致
4.2. 日葡辞書との比較
5. 終わりに
参考文献
