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井伏鱒二の『多甚古村』は井伏文学の白眉といわれる「市井風俗小説」の一連の作品群の二つ目の作品である。井伏の「市井風俗小説」では優れた時代性と井伏固有のリアリティーが創出する現実投影の絶妙なバランス感覚が独特な井伏の文学世界を語っているが、『多甚古村』という作品でもそれは変わりがない。 『多甚古村』で井伏は半農半魚の片田舎の住民と親和し、またその中に溶け込んで行く独身の青年巡査を主人公に、十五年戦争の暗くて混迷な時局を特有の柔軟でユーモアに満ちた筆致で巧妙に捉えている。 『多甚古村』に顕わになっている庶民の日常生活や現実の姿は井伏が見守り続けていた辺鄙な田舎の人情溢れる風景でありながら、作品中の場面の一つ一つが包装されていない昭和時代の現実として認識できる具体的な証拠とでもあり得る。 しかし、作品中の幾つかのエピソードには中央の圧力を意識した不自然なところや人物造型がしばしば目につくが、一方ではこれを井伏の間接的な戦争協力とみなす見解もあり、これまで抵抗作家として認識されてきた井伏やその研究に少なくない問題点を示唆しているのも否認できない。とはいうものの、それを昭和という未曾有の激動期を生き抜けなければいけなかった作家の知恵と理解すれば、井伏は一九三八、九年頃の日本の田舎の風景と生活感覚を、特有の時代を捉える目の機能を有効に生かして、庶民たちの日常のリズムを見事に形象化したと言えよう。
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