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초록
일본어
「ぬ」「つ」が推量の助動詞「らむ」に接続して「ぬらむ」「つらむ」となる場合、「ぬらむ」は「~ているだろう」と解釈されることが多く、「つらむ」は「~ただろう」と解釈されることが多い。即ち、「ぬらむ」は「らむ」と同じように解釈され、「つらむ」は「けむ」と同じように解釈されているのである。そして、「にけむ」「てけむ」も「~ただろう」と訳される例が多く、「つらむ」「けむ」「にけむ」「てけむ」の意味の差が明確でない。助動詞「らむ」と「けむ」、「ぬ」と「つ」が使われていない現代において、これらの助動詞を同じ意味で訳するのは仕方がないことかも知れない。そうだとしてもこれらの助動詞を古代日本人が同じ意味で使っていたとは考えられないことである。これらの助動詞の意味の差を明らかにするためには推量の助動詞「らむ」と「けむ」の意味、完了の助動詞「ぬ」と「つ」の意味を明確にする必要がある。 本稿は「らむ」と「けむ」というのは時制と関係のないものであることを用例をもって証明した。そしてその意味について、助動詞「らむ」はある状態が持続すると話し手が判断した場合用いられた推量表現であり、助動詞「けむ」はある事態が成立したと思いながらも、話し手の確信を推量という手法を通じて緩和・中和して表現したものであると定義した。また、完了の助動詞「ぬ」「つ」は話し手の認識態度を表したものであり、「ぬ」は「自然推移的な認識態度」を、「つ」は「自然推移的でない認識態度」を表したものと定義した。 そして、このような研究結果を用いて、完了形に助動詞「けむ」が接続した「にけむ」「てけむ」の意味を考え、「けむ」との意味の違いを究明した。なお「ぬらむ」「つらむ」との意味の差も説明した。
목차
1. はじめに
2. 助動詞「らむ」と「けむ」の意味
3. 助動詞 「ぬ」「つ」の意味
4. 完了形に接続する助動詞「けむ」
4.1 「にけむ」の意味
4.2 「てけむ」の意味
4.3 「けむ」と「つらん」の意味の差
4.4 「 にけむ」と「らむ」「ぬらん」
5. 結論
参考文献