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『源氏物語』の夕霧と『篁物語』─その構造と表現の類似をめぐって─

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金孝淑

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『篁物語』は、実在した小野篁を主人公とする短編物語で、大正から昭和にかけて、彰考館蔵『篁物語』二本と宮内庁書陵部蔵『小野篁集』一本が紹介されてから、その研究が俄かに進んだ物語である。ただ、この物語はその成立時期が未だ定説を見ず、『源氏物語』との影響関係については、従来ほとんど論じられてこなかった。しかし、『源氏物語』の夕霧のありようと『篁物語』の主人公には、注目すべき類似が多々見られる。例えば、「大学の衆」の恋物語であること、またその恋が女の親の反対によってすぐには成就しないこと、さらに親の反対の大きな理由となっていた身分の低さが「みどり」という歌言葉によって表現されていることなど、実に様々な面において対応しているのである。このように、二つの物語には、その構成やモチーフ、そして表現に至るまで、看過できない類似が見られ、そこには偶然とは言い切れない何らかの影響関係が考えられる。本稿では、まず、その共通要素を指摘し、さらに物語における機能を検討していく。

목차

要旨
 1. はじめに
 2. 『篁物語』について
 3. 『源氏物語』の夕霧と『篁物語』の主人公の類似性
  3.1 「大学の衆」の恋物語
  3.2 親に引き裂かれる恋
  3.3 「みどり」という歌ことば-「六位」を表徴するものとして-
 4. むすびにかえて
 参考文献

저자정보

  • 金孝淑 김효숙. 早稲田大学 古典籍研究所 客員研究員, 平安文学散文専攻

참고문헌

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