초록
일본어
本稿では川端康成の幻想的な作品「片腕」を対象にしてその幻想性の本質を解かすために川端康成の文体、特にその中の<比喩表現>に注目し、幻想と<比喩表現>との関連性、若しくは言語表現と現実との特異な関係を考察してみた。 おもに作品「片腕」の中の隠喩・換喩・直喩の意味と用法を通して作品の幻想性と比喩表現との関わりを探ってみた。「片腕」の中の隠喩・換喩・直喩それぞれの比喩転換の方向性は通常の「未知から既知へ」の方向、「抽象から具体へ」の方向で片付けられるものではなく、もっと複雑な様相をおびていた。隠喩の場合、より抽象的で分かりにくいものを(これに類似する)より具体的で分かりやすいものに見立てる(置き換える)隠喩本来の意味が転倒されていた。すなわち、比喩転換の共通性としてのイメージに対する意外性は認められるものの、「片腕」の中にはより具体的で分かりやすいものが(これに類似する)より抽象的で分かりにくいものに置き換えられていた。換喩の場合、登場人物の抽象化(固有名の無)から、具体的なものの抽象化(象徴)の特徴を踏まえて、換喩のもつ「記号性」(代理=代替機能)を身体―感情の延長線上で考えて見た。欲望と幻想、コトバの換喩的な表現の関連性の中で幻想の登場人物の意味合いをその全体性によってよりも、より断片的な要素(連想されたパロールや音素や対象、身体の部分、しぐさなど)に求め、作中の「片腕」の五態の相貌に関わる比喩表現の分析を行なってみた。最後に、非常に抽象的で分かりにくい作品である「片腕」が、極めて具体化されている感じを受けてしまう原因を感覚表現や比喩表現(直喩)に見つけ、さらに《修辞的文彩》として幻想と結びつく形式としての直喩の装置を確認した。
목차
1. はじめに
2. 川端康成の文体と<幻想性>
3. 川端康成の比喩表現ー(「片腕」分析)
1) 未知の世界――抽象から具体へ
3) 隠喩のイメージの意外性
3) 換喩としての「片腕」
4)「直喩」―幻想との結びつき
4. まとめ
参考文献