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本稿は、田宮虎彦「異端の子」を取り上げ、占領末期における「共同体の記憶」の形成において、戦前․戦時中の国民国家の〈記憶〉が取り込まれていくプロセスを分析した。「異端の子」では、戦前․戦時中の国民国家の〈記憶〉が〈共同体〉の内なる〈他者〉を排除する原理としてその正当性を確保しつつ強化される様相が浮き彫りにされていた。このような〈記憶〉の保持と〈他者〉の排除が可能であった事情の背後には、冷戦構造の深化と、それにともなうアメリカによる占領政策の方向転換が大きく作用していた。つまり、1950年6月、朝鮮戦争の勃発とともに加速化した冷戦構造のなかで、占領者側のアメリカは日本の国民国家の〈記憶〉の復活を黙認したのである。それゆえ、朝鮮戦争を契機に日本の「再軍備問題」は表面化し、1950年8月には警察予備隊が創設された。なお、警察予備隊は占領終結の年に保安隊へと変わり、さらなる軍備増強を行っていった。戦前․戦時中の国民国家の〈記憶〉は、〈冷戦〉という政治パラダイムの庇護のもとに消えることなく、むしろ喚起されていき、占領末期における「共同体の記憶」として社会に定着していったのである。「異端の子」は、このような占領末期の社会像を〈記憶〉のメカニズムというレンズを通してとらえたのである。
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