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本論文は、中古の文章『枕草子』における混種語と同時代の作品『源氏物語』における混種語を取り上げ、その実態について対照分析し、考察を加えたものである。まず、作品に用いられている総語彙数は、『枕草子』より『源氏物語』のほうが2倍以上も多いが、それぞれの作品に含まれている混種語の割合は、『枕草子』には178語(3.4%)、『源氏物語』には418語(3.7%)で、ほぼ同じであった。各々の作品で占める漢語の割合に比べては多くの混種語が存在していることに気づいた。次に、両作品の混種語を品詞によって分類してみると、両作品ともに他を壓して名詞と動詞とが顯著であり、全体の約90%を占めていた。そして、両作品において混種語の大部分を占める名詞と動詞の語例を語構成によって分類し、それらを対照してみると、混種語名詞の場合は、『枕草子』の場合は7種類、『源氏物語』の場合は8種類に分類された。そのなかで両作品ともに「漢語+和語」「和語+漢語」の語例が多く見られた。混種語動詞の場合は、その語構成が『枕草子』より『源氏物語』のほうがもっと多様であり、『源氏物語』においては三次的に結合している混種語も存在した。一次的混種語動詞の場合は、両作品ともに「漢語サ変動詞」のものが多数を占めており、複次的混種語動詞においても、漢語サ変動詞が構成要素として主に活躍して多くの混種語を生産していた。それから、『枕草子』も『源氏物語』も中古の女房によって書かれたものであるが、その語彙の使用には個人的片寄りが相当あった。また、『枕草子』にも『源氏物語』にも多く登場する混種語は、名詞の場合、官職名または人を表す語が多く、動詞の場合は、漢語サ変動詞がほとんどであった。それらは中古中期の女房たちがごく一般的に使っていたものであるといえるであろう。
목차
1. はじめに
2. 混種語の割合と品詞別実態
3. 語構成による分類
3.1. 『枕草子』の混種語
3.2. 『源氏物語』の混種語
4. 『枕草子』特有の混種語
4.1. 名詞
4.2. 動詞
5. 『枕草子』特有の混種語の考察
5.1. 名詞
5.2. 動詞
6. 『枕草子』にも『源氏物語』にも多く登場する混種語
7. おわりに
参考文献
