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일본어
本稿では,方略的能力とコミュニケーション方略の用語上の混乱を避け,第二言語コミュニケーションにおけるコミュニケーション方略の役割を明らかにするために,コミュニケーション能力論における方略的能力について理論的考察を行った。第二言語コミュニケーションにおけるコミュニケーション方略の役割に関しては,コミュニケーション方略研究の背景にある,Canale & Swain(1980)のコミュニケーション能力(communicative competence)の概念に焦点を当て考察を行った。Canale & Swainの方略的能力は,①当時のコミュニケーション方略の概念をそのまま方略的能力と名付けており,それゆえ,コミュニケーション方略と方略的能力という用語を取り巻く混乱が生じたこと,②方略的能力と他の能力との関係については説明されていないことが問題点として指摘された。そこで,方略的能力がコミュニケーション上果たすメカニズムに関する詳細なモデルを提示したバックマン(1997)のcommunicative language abilityの概念を検討し,第二言語教育における方略的能力の概念,そして方略的能力とコミュニケーション方略との関係について考察を行った。そして,方略的能力は単なるコミュニケーション方略の別称でもなく,コミュニケーション方略の知識を含め,言語知識と知的構造を統合し,実際のコミュニケーションの場で適切に使用できる能力であることを示した。コミュニケーション方略は,方略的能力が心理生理的機能を通じて実際の状況と統合し具体化されたものとして位置づけた。以上の理論的考察を踏まえ,学習者が自分の言語能力の範囲内でコミュニケーション方略を用いながらコミュニケーション上の問題を克服し,コミュニケーションを成立させ維持することは,コミュニケーションそのものだけでなく,言語能力を駆使する能力である方略的能力の向上に役立つことを示した。
목차
1. はじめに
2. コミュニケーション能力モデルにおける「コミュニケーション方略」概念の導入
3. 新しい方略的能力?念の展開
4. 第二言語教育における「方略的能力」「コミュニケーション方略」の概念規定
5. 結語
参考文献