원문정보
초록
일본어
「べし」は文語の世界で口語のそれより多様な意味․用法を有していた。それが何らかの理由で変化し今日に至っているわけなので、文語での意味․用法のうち一部はその表現効果を残し、また一部はそれを逸したということになる。その変遷過程を探る目的で、本稿では、ヘボン․ブラウン訳『馬可伝』と米国聖書会社本や、文語訳、そして口語訳聖書との比較を試みた。『馬可伝』には「べし」の使用頻度が異様に高く、口語訳聖書では「べし」を引用文に限って用いることによって、古風な表現効果を産み出している。「べし」は独自の確固とした意味領域を有していたからこそ「現代語まで生き残」れたはずである。<聖書>は「法律用語とか規則」ではないが、一種の<権威>を保持しなければならない。そこで、「べし」などの文語体が多く使用されるようになったと考えられる。『馬可伝』における「べし」の使用例を調べてみた結果、「推量>勧誘․命令(禁止を含む)>可能(不可能を含む)>適当>決意>当然․必然」の順で用例が多いことが分かった。そのうち、「禁止」の意味として用いられた「べからず」は漢文訓読文体であるため、文語訳ではそれを「まじ」か「な」に書き替えていた。一方、ヘボンは「推量」の意味としても、そして「決意」「禁止」の意味としても「べし」を使用しているが、そのほとんどが文語訳になると他の表現に書き替えられている。とりわけ「む」への書き替えが目につくが、その基本的な意味を考慮すると、「べし」と「む」には出来事にたいする<確信度>に違いがあり、文語訳ではこの違いを反映したものと見受けられる。なお、『馬可伝』に「べし」が多用されているのは、ヘボン․ブラウンの<聖書観>が深くかかわっている蓋然性がある。<確信>を表明し<権威>を保とうとした文献の性格も影響したであろう。
목차
1. はじめに
2.「べし」の使用数と問題の所在
3.『馬可伝』における「べし」
4. おわりに
参考文献
