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초록
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大江健三郎の静かな生活(1990)は六つの連作短編で構成された小説集である。私小説的な方法で書かれたこの小説は、伊丹十三監督によって映画化された作品としても知られている。しかし、この作品における何よりの特徴は、「マーちゃん」という若い女性を語り手としている点であろう。大江は「死者の奢り」(1958)で文壇にデビューしてから1970年代まで、男性の視点で見た、男性たちの話を描いてきた。即ち、兄弟愛や兄弟における葛藤や対立、父子の連帯などを主な素材としてきた。しかし、静かな生活の場合は20代の大学生である若い女性が語り手であり、また、当時まで大江の小説に登場していた女性たちとは相当イメージが違うことが分かる。特に本研究では、よしもとばななの「キッチン」との比較を通して、若い女性を語り手にしたその背景と1980年代後半の日本社会における女性と家族の変化について考えてみた。作品を比較分析した結果、大江の静かな生活とばななの「キッチン」には、1980年代後半を生きていた日本の若い女性の持つエネルギーや主体的な生き方がよく反映されていることが分かった。静かな生活のマーちゃんや「キッチン」のみかげは、自分の持つ感情に素直である同時に、自分の意志で将来を決めていく主体的な女性たちでもある。また彼女たちは、父親が不在している家で、母親をはじめとする他の女性たちと共感し、連帯するという特徴を持っていた。上述したように、静かな生活と「キッチン」には1980年代後半における若い女性や家族の様子が反映されており、中でも、日本の若い女性の持つ肯定的なエネルギーや女性たちの連帯がよく描かれていた。だが、家庭内における女性の役割については、前世代のお母さんたちと変りのないように感じられるところもある。この点については次の研究課題として考察したいと思う。
목차
2. 1980년대 후반, 일본의 젊은 여성
3. 아버지의 부재와 여성의 연대
4. 나오며
[參考文獻]
<要旨>