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『さんせう太夫』硏究 ―『まつら長者』との比較を中心に ―

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吉岡浩人

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초록

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『まつら長者』では慈悲奨励の方法は直接的․前面的に享受層に慈悲奨励を強く訴えてはいないことに反して、『さんせう太夫』では直接的․前面的に慈悲心の重要性を強調していた。『さんせう太夫』では 「まつら長者」にはない下(1)、(2)、(3)、(4)のような独特な文学的特性が発見できた。 (1) 奴隷に対する差別․残虐性を伝えようとする意図(2) つし王の残酷な復讐を正当化しようという意図(3) 『さんせう太夫󰡕は作品全体では慈悲心奨励を試みようとしているが、次の2点で慈悲心奨励の弱化が生じている。① 主人公つし王は恩讐に対する慈悲ができなかった。② 作品には、つし王の残酷な復讐を正当化しようという意識が存在するが、主人公つし王が、恩讐を慈悲の心で許さないで、度を越えた復讐(父の首を子に鋸引きをさせて父を殺させる)を行なった。(4) 奴隷的階層の代表者․代弁者であるつし王  『まつら長者』において、主人公さよひめは仏教的教え(慈悲の中でも実践が難しいと考えられる、自分の怨讐に慈悲を施すこと)を素直に信じ、忠実に実践し、家を復興させた慈悲心あふれる人物であった。反面、『さんせう太夫』において、主人公つし王は倫理的教え(慈悲の中でも実践が難しいと思われる、自分の怨讐に慈悲を施すこと)を素直に信じず、さらに忠実に実践せず、寧ろその反対に、自分の怨讐に徹底的な復讐を行い、家を復興させた人物であった。そのようなつし王の特性から察して『さんせう太夫』の語り手層(作者層)は奴隷的階層の読者に合わせて作品を創作したと判断できる。奴隷的階層の読者は、悲哀、苦しみ、差別、暴力への怨念が想像を絶するほど激しく、怨讐に慈悲を施す心の余裕のない状態、あるいは不足な慈悲心の為に、彼等は恨みが爆発した手段[度を越えた残虐な復讐(父の首を子に鋸引きさせて父を殺させる)]でしか、彼等の怨念心がより早く解消できなかった。そのような理由で奴隷的階層の代表者․代弁者であるつし王は恩讐を慈悲の心で許さないで、度を越えた復讐(父の首を子に鋸引きさせて父を殺させる)を行なった。さらに、つし王にはその行動に対する葛藤、罪意識も全然みられなかった。それら点で奴隷的階層の代表者․代弁者であるつし王には、倫理的教えを実践できない人間の弱さが強くあらわれていた。

목차

1. はじめに
 2. 作品にあらわれる特質
  2.1. 恩讐に対する漂泊民だった者の復讐
  2.2. 慈悲
  2.3 残虐性
  2.4. 報恩
  2.5 慈悲奨励の方法
  2.6. 『さんせう太夫』の独特な文学的特性
 3. 結び
 参考文献
 要旨

저자정보

  • 吉岡浩人 Yoshioka hiroto. 서일대학교(瑞逸大学校)

참고문헌

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