원문정보
초록
영어
SamgukYusa describe that a dragon is god of water such as Poseidon and a sacred beast to symbolize kingship. In some case a dragon is a beast that harms to human beings, in some case it is god of thunder, but in many cases it defends territory of kingdom and protects the Buddhism, to be so in China. In addition a man born between a dragon accedes to the throne. On the other hand, in Japan there is a myth of a large snake, as god of water. It symbolizes the flooding of a river, and to destroy it means to improve the river. Therefore it is exterminated by Hero such as Susanoo. Behind such myth, rich harvest is promised by controlling the river. So the snake is not a symbol of kingship. Why is there such difference? I suppose there are two types of dragon myth. Provisionally I name them as follows. One is “the myth of the maternal dragon “that is handed down among maritime pepole, the other is “the myth of the paternal dragon” that is handed down among agricultural people. The former is a tale that a man having the blood of the dragon becomes a King, the latter is a tale that a man exterminating and controlling the dragon becomes a King. I can find the both types in Japanese myth, but in "SamgukYusa" only the former. Perhaps, what is required to a king in Korea is to protect the country from foreign enemies, more than to control a river. I think the dragon of SamgukYusa was born in such a Korean historical background.
일본어
『三国遺事』には龍の登場する伝承が、管見によれば、十三話残されている。 その 中で龍は、水神にして王権を擁護するものとして語られており、それは中国におい て王権を象徴する聖獣であったからだろう。 「水路夫人」や「恵通降龍」で龍は人間に 害をなす獣であり、「宝壌梨木」に示されるように雷神の性質を併せ持つ荒ぶる神 であったものの、「万波息笛」や「真聖女大王居陁知」に語られるように、国を護り 仏法を擁護するものであった。 また、如意玉とともに描かれることが多いことからす ると、龍には水を支配する力すなわち航海術が象徴されていて、韓国の始祖伝承 において龍との聖婚が語られているのは、龍という外部の血が王権の正当性を保証 しているからであった。 一方日本において、龍が登場する神話はなく、例えば八俣大蛇のように、水神 は大蛇となって現れ、人間によって退治されるものであった。 その背後には大河の 治水や、それによって豊穣が約束される稲作農耕があり、龍そのものが王権を象徴 することはなく、遺事における龍のイメージと繋がっているようには思われない。 そのはじめを辿っていけば中国の龍にいきつく両国であるのに、何故そのような違 いがあるのだろう。 思うに龍の神話には二系統あって、ここで仮にそれを、海洋民族が持っていた 龍の神話すなわち母系的龍の神話と、稲作農耕民が持っていた龍退治の神話すな わち父系的龍の神話と名付けてみよう。 前者は龍との異類婚が語られ、それとの間 に生まれた子孫が王となっていく神話であり、後者はあくまでも龍は退治すべきも のであって、龍を制圧し支配することで王として君臨していく神話である。 日本に おいてはその両方を見出すことができるのに、遺事においては前者しか見いだせない。 雷神 としての性質を龍の中に見出せたとしても、その雨が田を潤す水とは結 び付かないのである。 それはおそらく、韓国において王に求められていたのは、農耕 に不可欠な治水の力ではなく、外敵の攻撃から自国を護る力、すぐれた航海術や 津波を防ぐ力であったからであろう。 日本において、いかにして川を支配し稲作を 行うのかということに主眼があったのとは、なんと対照的なことか。 それが韓国とい う国の風土であり、歴史的背景ではなかろうか。
목차
はじめに
1. 水神としての龍
2. 木に変じる龍
3. 王権を擁護する龍
4. 龍と玉
5. むすび
参考文献
Abstract