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第二次世界大戦後、世界の芸術界への社会主義の浸透に脅威を抱いたアメリカが、CIAやその傘下の｢文化自由会議｣などを用い、世界各国に抽象主義やポップアートなどアメリカの現代美術や、アメリカ文学を普及させる資金援助や工作を行った。これが本当に効果があったのかは不明であるが、次第に多くの西側の芸術家たちのうち、左翼とされた者達も社会主義や硬直化した社会主義リアリズムから距離を置き始めた。韓国文学での非文学的影響を明かして, 韓中日三国でのリアリズム文学の形成過程とその相互影響関係を明かそうと思う。リアリズム論の形成に一番大きく影響を及ぼしたのは、もちろん西洋からの科学的社会的自然観と人間観の変革だった。日本文学では、 中江篤介, 坪內逍遙, 二葉亭四迷 などが初めてリアリズムを受け入れた。韓国近代文学に自然主義が入って来たのは白大鎭の評論からだ。中国の場合は、 リアリズムに関する最初の言及は梁啓超と王国維に見られる。梁啓超は日本の 坪内逍遥から影響を受けた。坪内逍遥と梁啓超の文学論は韓国の申采浩にもそのまま現われる。陳独秀と胡適は新しいリアリズムの理論を発表した。周作人はリアリズムの開拓を主張した。日本での自然主義リアリズム論は、森鴎外, 小杉天外と永井荷風などによって始まった。しかし、日本の自然主義は浪漫主義に近い形態だった。このような日本の自然主義は、韓国では廉想渉に伝染した。韓国での自然主義的リアリズム論議は白大鎭から出発して、≪新生活≫誌の創刊直前まで広がった。中国では韓国よりも7年遅く、1922年に自然主義論議が成り立った。日本では批判的リアリズムの概念はあまり用いられないが、概して蔵原惟人が弁証法的リアリズムを提唱する前までの評論家たち、 小牧近江, 平林初之輔, 青野季吉などの論議がここに当たりそうだ。韓国では、1922年≪新生活≫誌初号がプロ文学を開拓し、批判的リアリズム論議を初めて展開した。中国の批判的リアリズムは魯迅や茅盾に代表的に現われる。日本プロ文学理論の代表的リーダーである蔵原惟人のプロレタリアリアリズム論は、日本のみならず韓国と中国のプロ文学に強い影響を与えた。これは韓国では弁証法的リアリズムという名前で現われた。韓国での弁証法的リアリズムは朴英煕,金八峰,安漠によって成り立った。中国では成仿吾と李初梨が弁証法的リアリズムを展開した。伊藤貞助, 黒島伝治などは日本で社会主義リアリズム論を初めて紹介した。韓国で社会主義リアリズムが最初に紹介されたのは日本より1年遅い1933年白鐵と安漠によってからだった。中国では、1933年の初めに社会主義リアリズムの創作方法が初めて紹介され、11月いよいよ周揚が社会主義リアリズムを初めて紹介した。 2次世界大戦の終戦後、アメリカの影響で韓国と日本では社会主義リアリズム論議はほとんど進行されなかったが、北朝鮮では1950年以後に本格的に社会主義リアリズム論議が展開された。中国では、1949年,社会主義リアリズムが文芸の最高基準として公式に規定された。改革開放政策で社会主義リアリズムは, かろうじて命脈を維持しているだけだ。