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초록
일본어
本稿は、形式名詞「ワケ」の意味轉成に關して考察を試みた。
形式名詞「ワケ(分けㆍ譯)」は、動詞の「分く」の連用形の「ワキ」が表す「區別ㆍ分別ㆍ違い」の意味から轉じて「物事の道理ㆍ道筋ㆍ原因ㆍ理由」の意味に廣がり、「当然ㆍ可能性の判斷ㆍ不可能ㆍ義務」などの意味になったものと考えられる。
本稿は、古語辭典に見える「ワケ(分けㆍ別け)」の意味を整理して、中世の口語資料である「狂言」「キリシタン資料」「朝鮮資料」「抄物」などを中心として、その用例を分析した。
まず、『岩波古語辭典』に示された語義を發生順に整理してみると大きく二つに分けられる。
一つは、「區別ㆍ違い」「分別」「道筋ㆍ道理」「事情ㆍ由來」と「食べ殘し」の意味で用いられるもので、これらは中世の文獻にその用例が見えることから、これらを中世の用法として分類した。
二つは、「男女の事情」「勘定」の意味で用いられるもので、これらの用法は近世の文獻で「ワケ惡しㆍワケが立つㆍワケが付くㆍワケが出來るㆍワケを通す」などの例が見えることから、これらを近世の用法として分類する。
本稿では、中世の文獻を中心として「ワケ」の用法と意味を考察した。
その結果、中世の口語資料に見える「ワケ」の用例の中で「食べ殘し」を意味する「ワケ」は例は「抄物」以外の他の文獻にはその例が見あたらなかった。
これに對して、「區別ㆍ違い」「分別」などを意味する用例は「狂言」や「キリシタン文獻」にその例が見えたが、天草本『イソポ物語』に1例、『平家物語』に2例しか見当たらず、虎明本狂言にも「鬼類小名類」1例、「出家座頭類」2例が僅かに見えるだけである。また、大藏虎明本狂言の3例も「ワケ+動詞+否定」の形で用いられていた。
これらの結果に基づいて「朝鮮資料」である『捷解新語』(原刊本ㆍ第一改修本ㆍ重刊改修本)の三本を比較して「ワケ」の例を調べてみると、原刊本では「ワケ」の例が1例しか見当たらないが、第一次改修本で8例、重刊改修本で4例が用いられていた。これらを第一次改修本を中心として整理してみると「タウリ(道理ㆍ通り)」と對するのが2例、「ヤスス(樣子)」「シヤベツ(差別)」「シサイ(子細)」と對するのが1例見えた。
このような用法の変化は江戶時代に入って「ワケ」の意味が擴大したためと考えられる。
結局、「ワケ」は「ため殘したあまり」の意味から「區別ㆍ分別ㆍ違い」の意味を経て「物事の道理ㆍ道筋ㆍ原因ㆍ理由」の意味に廣がったと考えられる。
목차
2. 本論
3. 殘る問題