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일본어
本論文は、テキストの中の「純潔」という記号を読み取り、戦後日本のアイデンティティの問題、三島の歴史観などについて考察する。より具体的に言えば、戦後日本に存在した「純潔イデオロギー」や「純血主義」が、『美しい星』と、どのように関わっているかについて追究するものである。
『美しい星』は、一見、荒唐無稽な小説に見えるが、実は、自分のアイデンティティに執着する三
島由紀夫の姿が投影されているテキストである。『美しい星』において、大杉重一郎とその家族は、UFOを目撃してから、自分たちが宇宙人であると信じるようになる。彼らは、はっきり記憶に残っている地上の記憶を「贋物の歴史」と見なし、記憶から消された歴史を「本物の歴史」としている。何の証拠もない「本物の歴史」が、彼らのアイデンティティを構築するのである。これは、いわゆる「想像された起源の物語=歴史」である。しかし、客観的な証拠のない「想像された起源の物語=歴史」は、すぐ揺らいでしまう。ところが、それによってもたらされるアイデンティティの混乱は、より強い想像力により自分の歴史を再構築し、強化していくことで、かえってアイデンティティを強化するのである。これは、まさに後年の三島の天皇論を連想させる。というのも、三島は、「天皇」を信じ続けることに執着したからである。『美しい星』は、アイデンティティが揺らいでしまった不安定な状況下で、想像力による現実の再構築を通して、不確かな自らのアイデンティティを不動のものにしようとする切実な思いが表れているテキストとして読み取れるが、本論文ではこれを、戦後日本の「純潔イデオロギー」と「純血主義」とを照らし合わせながら論じた。
목차
1. はじめに
2. 「贋物の歴史」と「本物の歴史」
3. 「純潔」イデオロギー
4. 「純潔」から〈純血主義〉へ
5. 想像力と「想像された歴史」
6. おわりに
【참고문헌】