초록 열기/닫기 버튼

20世紀末の新聞文章において基本語化したと考えられる、形式名詞的な外来語「ケース」は、連体修飾節構造における客観的同格連体名詞という形式(用法)において最も多用されている。具体的には、≪(すでに起こった)良くないコトガラ(=ケース)が〈多い/有る〉≫という表現に、類義語である「事例」「例」「場合」よりも明らかに多く用いられているが、この表現は、新聞において報道される機会がきわめて多いものであり、「ケース」が現在の新聞文章で基本語たりえているのは、こうした表現に用いられる語として、類義の3語よりも積極的にはたらいていると考えられる。本稿では、「ケース」とその類義語のこのような使用状況が、20世紀後半の新聞において、どのように形成されてきたかを明らかにすべく、「ケース」およびその類義語「事例」「例」「場合」について、自ら作成した20世紀後半の「通時的新聞コーパス」を用い、通時的な調査を行なった。その結果、「ケース」は、「場合」「事例」に対してはそれにとってかわるように基本語化し、「例」に対してはそれと役割分担するように基本語化していること、とくに、連体修飾節構造の被修飾名詞(同格名詞)としての用法を大きく増やしていることを明らかにすることができた。さらに、「ケース」は、1970年から80年のあたりに、連体修飾節で「負」のコトガラを多くあらわすようになり、また、主節述語の意味範囲も他の類義語より多様になるという用法の拡大によって、「(すでに起こった)良くないコトガラ(=ケース)が〈多い/有る〉」という表現を担うようになり、新聞の中で基本語の地位を獲得していったものと考えられる。