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後期水戸学の代表的な著作である会沢正志齋の『新論』と、藤田東湖の『弘道館述義』は、民衆の力の強化、民衆教化に対する楽観論、天皇を頂点とした国体、幕府や権力者の存在は天皇家への忠孝心を前提として認められること、海外侵略を海外雄飛という観点で肯定していること、朝鮮に対して蔑視的な観点を持っていることなどを主張している。幕末に藩政改革を目標として現れた後期水戸学は、儒教的観点で書かれた前期水戸学の『大日本史』に表わされた内容を継承しつつ、現実的な改革にふさわしい教育的内容を備えていった。結局、後期水戸学は尊王攘夷や神道崇儒による民心統一、さらには民衆の力を強化しての軍事力強化などの言説にとどまっているだけではなく、明治日本の海外侵略思想の根源の一つになった。 また水戸学の後継者として知られる吉田松陰は、尊王倒幕論者であると言われているが、松陰は天皇の勅命に逆らった幕府に対して否定的であり、水戸学の儒学的影響で幕府が本来の位置に戻って朝命を遵奉すれば、幕府を打倒するのではなく肯定することもあり得たという事が松陰の著述を通して確認できた。すなわち、あくまでも儒教的立場で完成された水戸学と其の影響をうけた松陰は、違勅の幕府を完全に打倒すると言うよりは、幕府にその非を改めさせ、公武合体の立場で国家的難局を乗り越えようとするところに力点があったと言える。