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民俗学は民族の内面的な自己認識の一つの方法であり、民族を共同体意識の深層から捉えようとするその方法の中には、つねにナショナリズムへとむかう求心的な契機をはらんでいる。大江健三郎が民俗学的なモチーフに注目した1960年代の後半は、「沖縄返還運動」と連動して、民俗学とナショナリズムが融合した「単一民族論」が高揚していた。 狩猟で暮したわれらの先祖は、このような時代状況と民俗学的なモチーフが作品の基本軸となっており、日本人の共同体意識の深層に潜んでいる境界外部に対する「恐れ」の意識を描き出している。特に、本作品は、柳田国男の「日本先住民説」にモチーフを与えた「山人」を現在に実在する他者として設定し、文明と野蛮の対立構造をそこに重ね合わせることで、日本人の文明的な自意識に潜んでいる優越的な自己同一性を批判的に捉えている。と同時に、当時日本人という単一民族幻想の空間的な場所として注目されていた「沖縄」を「山人」のイメージと結びつけることで、文明意識のもとで規範化されてきた共同幻想のヒエラルキー構造をも浮彫りにしている。