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従來、秋成の紀行文研究においては、主として紀行文の内容が取り上げられ、たとえば、秋山記本文中の源氏物語論や去年の枝折の芭蕉批判の文章を通じて作者秋成の意図が論じられることが多かった。 本稿では、秋成の紀行文に笑いという要素が見られることに注目して、笑いの文章として読み直すことを試みた。その結果、去年の枝折については、同じ場面の中で古典的な世界と俗的な世界が入り混んでいることや、故事を踏まえた上で、皮肉な表現、滑稽性を表していること、または、古典の世界に拠らず、卑俗な言葉や皮肉な表現などにより笑いを伴うような滑稽な場面が描かれていることなどが指摘できた。特に、從來は、芭蕉批判の文章としてのみ解釋された部分を取り上げ、笑いの要素に注目して考察した結果、そこには芭蕉批判のみではなく、笑いを誘うような場面やエスプリの入っている表現など、笑いの要素が多樣に機能しているのが見られた。 また、近世和文の観点から研究がなされている秋山記御獄さうじの文章にも滑稽性が見られることが認められた。