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人間の感情は複雑であり、主観的であり、表現しにくい点がある。このような理由で、比喩表現を用いて、抽象的な感情を具体的に表現したりする。本稿では、その中から概念を形成するときの基盤になる換喩と隠喩表現を中心に、感情表現の中で、特に「喜」という感情表現に焦点をおいて、どのように概念化されるかを考察する。 日常言語の概念体系の相当な部分が外部世界の客觀的な反映で構築されるのではなく、我々の身體性とか、経験、認知に基づいて形成されるという認知言語学的觀點を取り入れて、感情がどのように構造化されるかその樣相を明らかにしたいと思う。 その結果、「喜」という感情は「目のまわり(涙)、声、顔、胸、心、身体、頬、手、肩、脛、息、気、小便、気絶、睡眠」などのような身體的部位と生理的現像を媒介にし、表現する換喩的樣相があることがわかった。 または、「喜」は、「物、液体、器、光、熱、食べ物、人間、祭り、エネルギ、上(方向)」などの隠喩により槪念化されることがわかった。このような換喩と隠喩による表現は重なって現れる例も多く見られた。このような研究は、言語に反映された人間の「認知」に対する考察を深めると思われる。
