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先行研究、及び翻字のない寛政七年刊本膳亭坪平作黄表紙『手前漬赤穂辛塩』をテキストとして、「忠臣蔵」というお決まりの世界にのぞむ表現法を微視的な観点から綿密に分析した結果、次のような創作法を駆使していることが抽出できた。第一、原拠とあまり関係ない絵柄に備わる詞書は原文を一々パロディーするに際して、原拠一部の語彙と口調をそのまま借用しながらも立場を逆転することで内容は全く相違するように改変する創作法を、本黄表紙全体の約十五パーセントの場面において用いる。第二、絵柄と話柄両方ともパロディーする創作法を本黄表紙全体の約三十パーセントの場面において駆使する。原拠登場人物の立場と置かれる境遇を変更する場合がこれに該当する。一方、忠臣蔵とは関係ない場面、つまり原拠とは相関関係が認められない絵柄と逸話が本黄表紙全体の約四十パーセントを占めるなか、作者の極端な「自己卑下」或は「卑下慢」、及び「趣向」のための趣向は当該黄表紙の最も著しい特徴といえる。