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いわゆる明治維新以後あまりにも慌ただしく進められた日本の近代化は見事なその成果と共に取り返しのできない暗い影をも落としてしまった。殊に西洋の近代の基本思想の核を成すヒューマニズムへの認識の欠如はにほんの近代化の決定的な弱点であった.そのことを象徴的に見せてくれた事件が大逆事件であった。 日本帝国主義の矛盾の決算とも言えるこの事件は日本の芸術は勿論のこと思想界の冬の時代をもたらした日本政府の政治的な捏造事件であった。 夏目漱石は今日本の中で国民作家として尊敬されている.勿論そのような原因は彼の作品の文学的評価が中心を成しているが、一方彼の行った文明批評家としての活動も無視できないと言えよう。 しかし、漱石のこの事件に関しての一貫した沈黙は彼の知識人としての限界を垣間見られる注目すべき例である。特に石川啄木のこの事件に関しての的確な認識と洞察力に富む記録とを漱石のそれとあわせて考えると雲泥の差とも言える。 漱石の作品はこの事件を境にして時代批判から人間のエゴイズムへの追求と剔抉へ主題が変わったのはまったくこの事件の影響だと思われる. 日本の近代の作家の中でだれよりも時代の矛盾に反応し、苦悩していた漱石であったが、彼も亦日本の近代という特殊な状況の下で時代的矛盾のために犠牲された不幸な知識人の一人であった。