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神名を含んだ固有名詞の表記は固定的な傾向(とくに地名の場合)をもつ上、語義未詳の場合が多く解釈が至難である。そこで、本稿では神名における借訓表記の全体像を捉えるべく、それを表記類型別に分けて考察し(第二節), とりわけ一字一音による借訓表記を中心にその形式と内容により四つの形態に分類し考察を行った(第三節)。それから、神名における借訓表記に現われた調査結果を同時代の資料である万葉集の和歌と籍帳(大宝二年戸籍)の人名における訓假名の様相と比較した(第四節)。まず、神名の類型別分類を通じて神名表記の多様さを観察することができたのであるが、そのなかで目立った特徴として、E類型の「正訓字交用」による表記形態が一番多く現われるということが言えるだろう。とくに正訓字と訓假名交用によるE-1類型が用例の大多数を占めていたのであるが、これは橋本(1959)の正訓字と訓假名とが共起するという萬葉集での研究結果と一致するもので注目される。一字一音の借訓表記については、訓假名として固着的な形態の⑴借訓と、一回性の臨時的な性格の強い⑵略訓の形式、それに異傳などでの⑶音轉による轉訛形と、訓を明示するための⑷添記による形式、など多様なパターンを観察することができた。とくに、⑷添記による形式は古代韓國語の鄕歌における表記形態と大変類似しており今後の研究課題として期待されるところである。また、神名と萬葉集の和歌、御野国戸籍の人名における借訓表記の樣相が位相差のあるにも拘らず、大変共通性の多いものとして観察されたのは意義深いと言える。これは、口承などで伝来してきた旧来の神名に対する表記作業が記․書紀時代(八世紀の初葉)に行われたことと関係があり、したがって、神名における借訓表記も當時一般に行われていた用字法に基づいて作成されたためであると推定される。