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  本稿は日本明治期の代表的と言われる言文一致体翻訳小説である『あひヾき』に見られるオノマトペにおける漢字表記について考察したものである。『あひヾき』は二葉亭四迷により明治21年と29年、二度に渡って翻訳されており、両稿原典に忠実にとの覚悟で訳したと二葉亭自身が触れている。二葉亭四迷は明治39年、「余が言文一致の由来」で言文一致は「国民語の資格を得ていない漢語、日本語にならぬ漢語はすべて使はない。」といい、文章の一致だけではなく、語彙使いに対しても二葉亭自分なりの規則を提示している。『あひヾき』の旧稿新稿の対照的な文末表現に関する先行研究は数多く行われているが、旧稿新稿における漢字表記の研究はまだ注目されてない。そこで本発表では、口語体であるオノマトペにおける漢字表記について旧稿新稿を対象とし、その相違点を調べてみたところ、次のような結果が現われた。まず、オノマトペの漢字表記は旧稿より新稿で大きく増加していることが確認できた。旧稿に漢字表記率が大幅に低い原因として旧稿を納めた『国民之友』の影響であると言える。『国民之友』は当時教養層を主に対象した雑誌であったため、漢字․漢語を積極的に使っている割には振り仮名の使用には極めて制限的であった。そのような表記条件に従い、旧稿のオノマトペに対して複雑な漢字よりは仮名表記を好んである。新稿は二葉亭四迷の翻訳作品集である『片恋』に掲載され、文体および表記が自由で、その上すべての漢字に振り仮名が付く総ルビであったため、オノマトペの表記において漢字․漢語を積極的に使っていたことが考えられる。また、新稿の「燦爛」「茸々」「煌々」「嫣然」のようなオノマトペは本来、中国語のオノマトペ造語法に起因していることが分かった。このような漢語オノマトペが多用された理由は登場人物の心情表現や自然現象をより細かく描写するために、表記文字である漢字を使っているのであろう。それから、二葉亭四迷の言文一致は振り仮名を排除しては成り立たないとも言える。