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待遇表現において話し手と聞き手との関係だけ考えればよい聞き手に対する待遇表現とは異なり、話し手が自分․聞き手․第三者との関係を考えなければならない第三者に対する待遇表現は関与している要因が複雑である。第三者が話し手側の人物であるか聞き手側の人物であるかを始め、性別․上下․親疎など考慮すべき要因が多い。 小論はこのように複雑な要因が絡み合っている現代日本語の第三者に対する待遇表現が実際の言語生活の中でどう使われているかその実際の使用様相を夫婦関係での他称詞を中心に考察してみた。 具体的には第三者への待遇表現はどう使われており、それらに関与している要因にはどういうものがあるか、また待遇表現に関与しているいろいろな条件の重要さの度合いはどうであるかを、テレビドラマの台本やシナリオ145編を資料として分析してみた。 小論での考察の結果をまとめると、以下のようになる。 1.第三者が話し手側でもあり聞き手側の人物でもある場合、すなわち夫․妻を家族内部の人物に言及する場合は、聞き手と第三者が血族関係か義理関係かにより他称詞が違ってくるのが目立った。 さらに血族関係では話し手の年齢も関与しており、義理関係では、話し手と第三者が義理関係であるか、聞き手と第三者が義理関係であるかによって他称詞に違いが見られた。なお、血族関係より義理関係、女性よりは男性の方が使用している他称詞の種類が多かった。特に血族関係では父称や母称が夫婦関係でも使われる親族名称の虚構的用法が圧倒的に多く使われているのに対して、姻族関係では固有名の方が多く使われている。 2.第三者が話し手側の人物である場合、すなわち夫․妻を家族外部の人物に言及する場合は、話し手の年齢や親疎関係が大きく関与している傾向があった。 普通、夫․妻を他人に言及する場合に一般に使われると言われる「主人」や「家内」は格式張って言う場合、それも話し手の年齢が高くなるほど多く使われている傾向があった。特に男性の場合は女性より使用率は低かったが、その代り多様な他称詞を場面により使い分けている。 3.第三者が聞き手側の人物である場合、すなわち聞き手側の夫․妻を言及する場合は、話し手の性別や親疎関係によって使われている他称詞に差があるのが観察された。 普通、他人の夫․妻を言及する場合に一般であると言われる「ご主人」と「奥さん」が使用率においては一番高かったが、他にも実に多様な他称詞がそれぞれ場面によって使い分けられていた。特に男性の方が女性より多様な他称詞を使っていた。 4.テレビドラマの台本やシナリオ145編を資料として調査した小論の結果から端的には言えないが、現代日本語においては夫婦関係で「敬語表現」はあまり使われていない傾向が窺われた。 小論での結果は資料となったテレビドラマの台本やシナリオの中での結果であり、これが現代日本語においての夫婦関係での他称詞と「敬語表現」の全体的な様相であるとは言えない。一つの資料として參考されることを願う次第である。