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古代の出雲信仰は、大きく竜蛇信仰、巫覡信仰、穀霊信仰などに分けられる。まず、古代出雲の世界は竜蛇信仰の印象が顕著であった。出雲の代表的な竜蛇神である大物主神は、神しき光を照らして忽然と浮かび来る、オホナムチの「幸霊․奇霊」である。ところが出雲在地では、「神有祭」のとき、稲佐の浜の周辺の海岸に竜神の使者としてやってくるので、この海蛇を「竜蛇さま」といって信仰している。このように出雲神話において大物主神と、神有祭において竜蛇さまとは、ともに「稲佐の浜」に海上来臨する。そこで新谷尚紀は、「神有祭」の構成と出雲神話の構成とに注目し、両者がきわめて類似しているという点を指摘している。また吉野裕子は、出雲に頻出する蛇信仰と「荒神祭」の関連性を指摘している。神有祭の祭神が「海蛇」であるのに対し、荒神祭の祭神は「藁蛇」となっているのみで、両者の祭りの本義は全く同じである。 次に、古代出雲の世界は巫覡信仰の印象が顕著であった。古事記のオホナムチの受けた数々の厄難や死と復活の話に、盛んに薬方が出てくるのは、どうみても古代の出雲の巫祝団がそうした秘法の伝授を、受戒式に行なったことを表していると考える。たとえば、八十神のいじめで大やけどを負うたオホナムチの体を治療して、スサノヲの根の堅州国に行かせる時、オホンマウチを木の俣より逃がす話や、貝の女神が、オホナムチを貝の粉と汁で作った塗り薬で生かす話などに投影されている。 オホナムチ․スクナヒコナの伝承地は、西国から東国にかけてほぼ日本全土に広がるオホナムチ․スクナヒコナの民間神話が存在したことを示している。そしてこの二柱の神の原像は、石神、酒神、穀霊神、巡幸神、巫覡の徒を導く司祭王などである。つまり記紀の語るオホクニヌシの国作りは、あくまでも律令国家が必要とした新たな神話にほかならないのである。 最後に、出雲国造の古伝新嘗祭と天皇の新嘗祭とは、穀霊儀礼であると同時に即位儀礼であるという点で類似している。一言でいえば、出雲国造の古伝新嘗祭は神との共食儀礼により、国造についた氏祖神の神霊の更新をはかる手段であった。出雲においては天穂日命の霊を受け継いで、大国主神を斎き祭る霊能を具有することを象徴し、天皇家においては天照大神の祖霊を受け継いで、大八洲国の統治権を歴代の天皇が代々継承されていることを象徴する。従って毎年行なわれる新嘗祭の本義は、この出雲国造家の火継式と古伝新嘗祭の本質を理解することにより、もっと明確になると考えられる。