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明石の姫君は、澪標巻の宿曜の予言「御子三人、帝、后必ず並びて生まれたまふべし。中の劣りは、太政大臣にて位を極むべし、」によって后になる運命を担いで生まれた。本稿では、明石の姫君をめぐった光源氏、紫の上、明石の君などの関係を笑いの表現を中心として考察してみた。紫の上にとって、明石の君は目の上のこぶのような存在だったので、源氏に嫉妬をするようになるが、そのたびに源氏は紫の上に「ほほ笑む」の笑いをみせながら慰める。結局紫の上は、自分の最大の欠点とも言える子供がないということを補うために、明石の姫君を養女として育てる源氏の提案を少しもためらわずに「うち笑む」の笑いで受け入れ、明石の姫君を養女として養育することによって母としての役割を果たすようにする。これは源氏と紫の上との子孫の断絶を「うち笑む」の笑いで遮るためであることと言えよう。一方、源氏は明石一家の夢を成し遂げてくれる人物として、「うち笑む」の笑いで明石の世界に受け入れられる。しかし、明石の君は「身のほど」意識にと捕らえられ、「人笑へ」になるのを畏れて明石の姫君を養女として紫の上に引き渡す。明石一家は「うち笑む」の笑いと「人笑へ」の笑いを通じて、明石一家の栄達という夢に一歩近づけるようになるのである。