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本論文は古浄瑠璃をはじめ、近松の浄瑠璃、そしてそれ以降の浄瑠璃の衰退期ともいわれる18世紀後半に作られた作品においても超自然的な力である妖術、呪術が好んで用いられている点に着目し、その中でも主に呪詛を対象に作劇上どのような意味があるのかを考察したものである。  浄瑠璃における呪術性は演劇として持つ鎮魂、祝言としての役割を持つだけでなく、劇の内容としては呪詛、呪いという呪術的要素が嫉妬やお家騒動という個人の対立や天皇の位争いという構図、さらに異国と日本の対立の構図の中で謀反に結び付く要素となっていた。  中古や中世の文学作品においては鬼など人間ではないものが災いをもたらしたが、浄瑠璃においては人間の執着、妄執などが呪術的な力を発揮するものと変化し、謀反劇では呪詛や妖術は天下を転覆する手段として用いられていた。また、呪力は悪の側にとっては呪い、呪詛として用いられたが、善の側ではお家騒動の解決、謀反人の妖力消失など、劇中の秩序回復という役割として機能する要素となるなど劇展開の大きな役割を果たすようになっていた。