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記紀神話に描かれている神々の伝承を素直に見ていくと、高天原の正統性を受け継いだ天孫が地上世界に天降り、そこを統合しつつ王権を確立するという古代皇室の政治的な意図に基づき、数回の改作と潤色を加え、変容されかつ体系化した神話ということができる。とはいえ、その神話は主な舞台は海、または海に面した地域を中心に繰り広げられがちである。特に、『古事記』上卷に描かれている海という神話世界は創世神話を始め、国生み神話の源泉となっており、時には黄泉国のように海上他界への通路として、さらに常世国のように現世に豊かさをもたらす理想鄕と言うイメージをも持っている。一方、海神といわれる「ワタツミ」という神は、その誕生の場面では単なる海そのものを意味するかも知れないが、神話の筋から見ると、自然の神という観念を越え、海を生活の場としてきつつ成長した古代日本の地方豪族の安曇氏により祖神と祭られ、しかも漁労や海外交流において航海の安全を守ってくれる守護神としての意味を持っている。そういうことから、『古事記』における「ワタツミ」は海に関わった様々な神々を統合した代表の神として生れたと言える。また、日本神話の最後の伝承と言える山幸彦の海神宮訪問譚における「ワタツミ」は、天降りした天孫に海の呪力を与えることによって皇室の権威を陸地と海を制覇した正統性を一層極大化させる存在として浮彫りにしている。そこには「ワタツミ」を通して海上の権能を強調することによって、皇室と親しい関係を保ちながら、中央朝廷に忠誠心をを示そうとした安曇氏の政治的な意図が反映されたことが窺える。