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無助詞という現象に対する研究は多くなされ、その詳細が明らかとなってきているが、日本語教育における無助詞の扱いについての研究や、第二言語習得の観点から見た、無助詞の習得に関する研究はそれに比べてわずかである。教科書における扱いについては、先行研究からほとんど扱われていないことがうかがえるが、具体的にどのように扱われているかについては言及していない。そこで本稿では日本語教科書のうち、主要な総合教科書とその教師用指導書、問題集などの副教材34冊について、無助詞文が提示されているかどうか、提示されていれば、どのように提示され、どのように扱われているのか分析した上で、適切な提示方法を具体的に検討した。 その結果、分析対象教科書・副教材34冊中25冊に無助詞文が提示されていることがわかった。初級教科書は敬体、初中級以降の教科書は常体の無助詞文の提示が多かった。しかし、分析対象教科書中、「みんなの日本語Ⅰ」に関する副教材で「普通体の助詞脱落」としてしか解説はなされていなかった。また、常体・敬体ともに分析対象教科書の無助詞文の類型の提示傾向は非常に偏っていることもわかった。 学習者が教室外で母語話者の使用する無助詞文を耳にする機会がある以上、教室内でも無助詞文の使用に対する指針を与え、学習者の混乱を防ぐ必要がある。具体的には、有助詞文を使うと聞き手にマイナスの印象を与えてしまう可能性の高い文を無助詞文の類型の中から選択し、学習者に教えることが望ましい。そして、どうしてその有助詞文を使用してはいけないのかを理解するために、助詞の有無によって「相手への伝わり方」が変化することを教えるのがいいのではないだろうか。特に、有助詞文にすると、それぞれの格助詞が持っている独自の機能の影響の方が強くなり、それによって聞き手はマイナスの印象を受ける可能性があるものは、優先して助詞の有無による差を教える必要がある。具体的な提示方法としては、有助詞文と無助詞文を比較し、タスクを考えることで助詞の有無によって聞き手の印象が変化することを学習者に気付かせ、意識化させた後、類似した状況や場面を与えて練習させると、より効果的であると考えられる。このような練習は、学習者が一通りの初級文法を終え、使い分けができるようになり始める中級からが最もよいのではないだろうか。