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『忠臣蔵跡祭』は六葉の口絵が四オまで付され、四ウからが本文という独特な構成に、間接話法の形で地の文の中に多くの書入が吸収されるという文体的特徴を有する合巻である。内容的には実に様々な趣向が用いられることで、複雑な後日譚を導出しているが、その創作方法を分析してみると、1.人物を俗化するか、2.荒唐無稽な作り話を設けるか、3.現実的な理詰めの滑稽を披露するか、ということで大別できる。これらは原話の事件を故事付ける為に取られた創作法というより、番外のエピソードを付け加える為に取られた創作法であって、原話にはない新しい筋が加わることになることを、具体的に立証した。お金をケチったり、食べ過ぎて眠ってしまったり、所帯染みた買い物を頼まれたり、不潔な病気に掛かっている武士たちは、死後竜宮に流されたり、猪に取り憑いたりもする。由良宅に残された人々や討入りされた人々は現実的な理屈を以って自己弁明をする。原話に基づくパロディーというより、新たに付け加えられた番外のエピソードに近いといえよう。事件の始まりは原話に即しつつ、その事件の前後に原話にはない長い創作譚が後日譚(或は前日譚)として、本合巻の広い範囲に渡って展開していることを、以上のごとく作品論の視座から考究した次第である。