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本論文は、クライエントのカウンセリングでの変化過程を、阿弥陀如来の本願のはたらきに基づいて説明することが目的である。ロジャーズ.C.Rの来談者中心療法は、クライエントの自己実現傾向が自己治癒力として機能することを前提としている。これは、自分にとって重要な他者から受容されるという肯定的配慮への欲求と自分で自分を受容するという自己受容への欲求が充たされることによって、“十分に機能する人間”になれるという理論に基づいたものである。この自己治癒力を阿弥陀如来のはたらきと説明できるというのが、この論文の仮説である。自分の思いを充足して満足しようとする人間の本性を『仏説無量寿経』には、「煩悩に人間は一生縛られて生きるしかなく、自分可愛く得することを求めてしか生きられない(煩悩結縛 無有解已 厚己諍利 無所省録)」と説かれている。この生き方は、仏教では顛倒と説明される。阿弥陀如来は、この生き方しかできない私たち人間を真実の利をもってすくおうとするはたらきである。このはたらきは、すべての人間に届いているが、顛倒の自覚なく思い通りに生きようとしかできない人間にとって、真実の利は苦痛である。顛倒の自覚がなかった人間が、苦痛がきっかけとなってカウンセリングを受けることができるから、苦痛は、阿弥陀如来にすくわれる証である。カウンセラーによる無条件の受容を経験して、クライエントは自分自身の心を見つめ、洞察し自己受容することができる。この過程は、阿弥陀如来の第18願に示される本願がクライエントに届き、クライエントの人生に成就した証である。カウンセラーの無条件受容の態度は、阿弥陀如来の本願の具現化であって、本願がなければ、カウンセラーによる無条件の受容は達成されない。真宗カウンセリングの立場からは、ロジャーズ.C.Rのいう自己治癒力を阿弥陀如来の大悲と説明できる。