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本稿では、日本語の歴史の中でも特に消滅という点に注目して近世に焦点を当てて、近世日本語までには用いられたが現代日本語では見られなくなった江戸語の敬語命令表現「しやれ」→「しやい」の語尾変化について、全体的傾向と完了時期を中心にして考察してみた。特に明和~享和期の江戸語資料39種(江戸洒落本類31種、江戸咄本類4種、黄表紙類4種)の語尾変化の実態の分析結果に基づいて、上方語と敬語命令表現「なされ」→「なさい」の語尾変化の全体的傾向及び完了時期と比較しながら時期、資料、位相、地域による遅速差とその原因について検討してみた。その結果、幾つかの特徴的事実が明からにされたかのように思う。 まず、語尾変化の全体的傾向としては、①明和期と安政期間における「しやれ」→「しやい」の語尾変化の遅速差が見られる。②江戸語資料の内部間による遅速差が認められて、江戸洒落本類の「しやれ」→「しやい」の語尾変化は江戸咄本類及び黄表紙類の語尾変化よりはやい。③位相的な面から見ると、男性語と女性語間による「しやれ」→「しやい」の語尾変化の遅速差は見られない。④地域的な面から見ると、江戸語の「しやれ」→「しやい」の語尾変化は上方語の語尾変化よりはやい、という事実が指摘できた。 一方、語尾変化の完了時期としては、⑤口頭語、つまり会話文における「しやれ」→「しやい」の語尾変化の完了時期は「なされ」→「なさい」の語尾変化の完了時期である明和期までより遅い安永期と推定される、という事実が指摘できた。 特に、このような事実の中で②③④は「なされ」→「なさい」の語尾変化の傾向と大体一致すると言えようが、①は傾向を異にすると思われる。なお、⑤も「なされ」→「なさい」の語尾変化の完了時期と異なるという点から注目される。