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本稿は、近年第二言語習得研究や第二言語教育において注目されてきたバフチンの言語哲学から「イデオロギー的形成」の概念を取り上げ、日本語学習者の文化学習における観察や気づきを通して、学習者のイデオロギー的形成の一過程を考察するものである。日本の大学の文化クラスの課題として行われた1学期間のジャーナル活動で、学習者が記述した日常の日本語環境における言語体験に、イデオロギー的形成の過程にある学習者のことばと文化に対する視点を探る。ジャーナルの記述に見られたことばを巡る学習者の様々な言語体験を検討することで、バフチンがイデオロギー的形成の過程として定義付けた「他者のことばの選択と自己のことばの獲得」が明らかになり、文化学習を通して学習者のイデオロギー的形成が発達するにつれ、ことばを契機にして生じる学習者の葛藤や意識上の闘争が窺える。そうした葛藤や意識上の闘争において、学習者は、日本文化を背景とする人々が望ましいとしてきたことばの選択やその使用に疑問を持ち、「他者のことば」と「自己のことば」を振り返り熟考する経験を積み重ねながら、イデオロギー的形成を発達させていく。このようなイデオロギー的形成の観点から日本語学習者の文化学習における観察や気づきを考察し、学習者が自らの視点でことばと文化を捉えていく様相を提示した点において、本研究は意義あるものと思われる。