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日帝强占期(=植民地時代)における京城帝国大学で「朝鮮語學・朝鮮文學」を専攻とした金思燁氏は、戦後『萬葉集』を韓国語で翻訳した。『韓訳万葉集ー古代日本歌集』というのがそれである。金氏は韓国語本『萬葉集』の完訳を目指したが、彼の突然の死によって、韓国語訳『萬葉集』は途中で終わってしまった。そして、最近になって李姸淑が改めて『萬葉集』の完訳を目標として今『萬葉集』を韓国語で翻訳している最中である。 ところで、金思燁氏が『萬葉集』を翻訳しようとした意図は何だったのであろうか。『韓訳万葉集ー古代日本歌集』の「まえがき」によると、彼の翻訳意図は明確だった。すなわち、『萬葉集』に「濃厚な韓國的要素」を見いだすことであった。ここで「濃厚な韓國的要素」というのは色々なことから構成されているが、その中にはたとえば『萬葉集』には古代韓国語が見いだせるということがある。そして、『萬葉集』に「濃厚な韓國的要素」を発見しようとした彼の立場は、『萬葉集』に対する彼の見方であることを意味している。 『萬葉集』から「濃厚な韓國的要素」を見いだそうとした彼の『萬葉集』観は、內的要因と外的要因によって成されていると思われる。まず、內的要因としては日帝强占期(=植民地時代)に芽生えた彼の民族主義意識があった。そして、それは金思燁氏のように京城帝国大学で「朝鮮語學・朝鮮文學」を専門とした韓国人たちが共有していたメンタリテイーだった。一方、外的要因としては古代韓日關係の中で古代日本に與えた古代韓國の影響を無視したり、軽んじたりする日本の知識人の立場に対する彼の反発があった。そして、とても興味深いところは、金氏のように『萬葉集』に「濃厚な韓國的要素」を読み取ろうとした見方は彼だけが持っていたものではなかった。それは従来日本研究をしてきた韓国の研究者たちが基本的に共有していたものの一つだった。