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本論文は朝鮮通信使を異国情報源と見なして、彼らから発信された情報が近世の演劇作品、特に浄瑠璃作品の中でどのように表出されているのか、またそれを通して近世日本人の対異国観について考察したものである。まず、通信使の諸情報の中から、もっとも民衆の興味を惹いた通信使の 行列を取り上げ、行列中の人物が演劇作品で異国人の表現に借用されている事例を指摘した。そして、行列中の旗類、清道旗に注目して「国性爺物」を対象に、清道旗が異国の人を特定する表現記号であるとともに、その変容の様子から当時の人々の恣意的、国粋主義の異国観が窺われることを論じた。即ち、清道旗は異国、取り分け中国の「清」を象徴するものとなっており、その中には近松の『国性爺合戦』以降高まった国粋主義の気運が投影されている場合もある。これに関連して当時、通信使行列に触れた人々の清道旗への認識や日本各地で行われた祭礼における唐人行列を視野に入れ考察した。清道旗は今日の祭礼にも登場するなど、通信使の発した異国情報は伝統として受け継がれている。今後は祭りをはじめ、日本各地に残っている通信使の影響についても考察を進めたい。